これから陶芸を始めたい人へ
陶芸を始めてみようか、と思いながら、
なかなか一歩を踏み出せないという人が多いのではないでしょうか。
絵を描いたりするのと違って、粘土は扱いにくそうだし、
ロクロが上手になるには時間がかかりそうだし、
窯なんかとても買えないし・・・。
たしかに陶芸は、始めるときの心のハードルがちょっと高いですね。
僕もそうでした。でも、始めてみたら、それはそれは面白い世界。
次から次に新しいドアが開けてゆく思いでした。
「そのうち、陶芸を始めてみたいと思ってるんだけど・・・」
そんな相談を受けることがあります。僕は、すぐに始めたほうがいいと勧めます。
「そのうち」は、永遠に「そのうち」です。
「あのとき始めてよかったと、あとできっと思いますよ」と言い添えます。
単行本 「陶芸家Hのできるまで」(林 寧彦著)P228より
工房を兼ねた「津田沼 陶芸教室」のできるまで
教室を主宰する林寧彦が、まだ広告会社の社員だったときに手に入れた建物です。
石材コウバだったものに最小限度の改装を行なって工房にしました。
ベランダ陶芸、単身赴任先のマンションに電気炉を入れた10階の工房、と変遷を重ねて
初めて「地に足が着いた」この工房が持てたのは2000年のことでした。
2003年には会社員をやめて、フリーランスのCMプランナー、ライター、陶芸作家としてスタート。
2004年に、日本伝統工芸展に4回目の入選をはたして、日本工芸会正会員に認定。
2009年に、工房に陶芸教室を併設することにしました。
いくつかの改装業者さんに相談したものの、納得できるプランが出ず、悶々とした日々が続きました。
「AI空間デザイン室」の井上アンドレさんに出会ったのは、そんなときでした。
この工房から歩いて20分ほどのところにサーフィンの用具を販売している倉庫があったのが、
ある日通りかかると、なんともオシャレな美容室に生まれ変わっています。
こんな改装のやり方があるのか!
私は美容室に電話して、改装を請け負った会社を教えてもらいました。
その会社の代表がアンドレさんだった。
一回目の打ち合わせでは、「どんな教室にしたいのか?」というインタビューに終始。
漠然と持っていた夢が、話すにつれてカタチを持ってくるのを感じた。
「ご予算は?」という言葉は、一度も出なかった。
彼に任せることに決めました。
それから10ヵ月かかって教室の改装が完了。
当初から「料理教室のような陶芸教室を作りたい」と言い続けた。
楽しい時間が過ごせそうな、モノをつくるキレイな空間
・・・・そんな意味を込めたつもりだけど、彼でなければ受け止めてくれなかったでしょう。
とても気持ちのいい空間ができあがりました。
2010年の9月から教室がスタートしました。
ひそかに、日本一キレイな陶芸教室ではないかと思っています。